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博 多 の 世 界 | |||||
博多といえば、筆者の青春時代の半分を過ごした街です。 その時代、もちろんラーメンは食べておりましたが、まあ、おやつというか、飲んだ後の仕上げという感じでしたか。いずれにしろ、それほどラーメンに思い入れがあった訳ではありませんでしたし。 しかし、食するラーメンはもちろんとんこつ白湯で、世の中でラーメンといえばそれしかないと思っておりました。 博多に味噌ラーメンの店ができたのもそのころですが、食べてみた結果、味噌ラーメンとは変な食べ物だなあと、自分の頭の中では味噌ラーメンはラーメンに分類することなく終わりました。 それはともかく、久しぶりに博多を訪れることができましたので、時間が許す範囲で、博多ラーメンの名店を調査してまいりました。 |
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赤のれん節ちゃん | |||||
博多ラーメンのルーツともいえる名店が、その昔市電箱崎停留所から少し海側に入った路地裏にありました。若かりし武内伸氏もここのラーメンを日本一と思ったといいます。 そのお店は中華料理屋でしたが、筆者もラーメン以外は食べたことがありませんでした。味としては、もちろん現在の博多ラーメンと同じですが、かなり濃度の高いスープとかなりコシのないヤワメの極細やや平打ち麺が特徴であったと記憶しています。 そのお店「赤のれん」は、博多大丸や東京西麻布などに支店やのれん分けしていきますが、波瀾万丈紆余曲折を経て、本店は倒産。次男坊が継いだ店「元祖赤のれん節ちゃん」が生き残ったということのようです。なお、東京の「赤のれん」は完全なのれん分けで、親族でもありませんので本店とは関係なく存続しています。 福岡市中央区渡辺通5−24−26 11:00〜23:00 日休 地下鉄七隈線天神南駅1番出口からちょっと東に行ったところにあります。 以前は、国体道路から1本入った路地にあったような気がします。七隈線の整備に伴い路地自体が表通りの一部になってしまったという状況でしょうか。 店内は、L字型12席、6席テーブル5卓 スタッフは6人 |
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ラーメン(固麺) @470 麺は、ほんの少し灰色がかった白色極細の低加水平打ち直麺で、プチプチした紐のような食感だが、コシについてはゼロ 固さ普通で頼むと途中で伸びてしまうので固麺でオーダーするのが佳 博多の中でもこのような麺を使うのは、上記のとおり先代の「赤のれん」の特色であり、なつかしいというほかない スープは、これも灰色がかった薄いベージュ色のとんこつ白湯塩味で、とろみが強く、表面の脂の層も2mmほどある、こってりしたもの 「脂抜き」とオーダーする高齢者もいる トッピングは、薄いバラチャーシュー2枚、キクラゲ 470円でこれだけのものが食せるのは幸せである うらやましいぞ、福岡市民 |
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博多だるま | |||||
1963年箱崎九大前電停近くに開店した「だるま」。 博多ラーメンとしては1963年といえど後発組(^^)でしたが、豚骨をボコボコ炊いたこってり強烈なスープで名を馳せてきました。その店主が高齢を理由に引退。道路新設にかかったこともあり、すでに独立して「秀ちゃんラーメン」を経営していた二代目が、店名を引き継ぐ形で2000年に現在地に開店したのがこのお店。 博多にしては、強気の値段設定にもかかわらず、いまや押しも押されもしない名店となっています。 なお、筆者もその昔箱崎あたりをウロウロしていたわけですが、このお店はトンと記憶にありません。 なぜかって、そりゃアナタ、屋台で飲んだあとにはそのまんま屋台のラーメンを食べるのが当時の福岡市民の正しいライフスタイルでしたからねえ。 福岡市中央区渡辺通1−8−26 1200〜2700 無休(正月のみ休) 地下鉄七隈線渡辺通駅2番出口に出て少し天神方向に戻り、広瀬病院の先を右折して細い道をどんどん進むと、春吉公園の角に出ます。その角にある一見倉庫風の建物がこのお店です。 店内は、木を多用し落ち着いた雰囲気の、I字型カウンター12席、6席テーブル3卓 スタッフは4名で、キッチンのチーフは女性 |
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らーめん @650 麺は、薄い黄白色の極細丸直麺で、加水率が高めの硬いプツプツした食感 スープは、やや透明感のあるとんこつ白湯塩味で、脂多めのこってり感はある 見た目はアクのようなものが浮いているが、これはたぶん骨髄の残渣であろう ダシ自体の味わいは軽さを感じるもので、初代「だるま」とは一線を画すもの トッピングは、バラ角チャーシュー3枚、キクラゲ 薬味ネギが多めにかかっている |
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博多一幸舎(大名本店) | |||||
2004年、軽さの中にも濃厚なうま味を感じさせる新しい味わいのとんこつラーメンを提供したのがこのお店。うま味の中に、ちょっと魚介系を感じさせるのは、タレに魚介系の何かを加えているからだといわれています。 こってりを善とする博多っ子にも、これが意外と受けたようで。急激にお店を増やし、お台場の「ラーメン国技館」にも出店。東京でも、その味が堪能できます。 福岡市中央区大名1−4−22 1100-2500 月休 地下鉄空港線赤坂駅4番出口から、赤坂交差点へ出て、南へ。大名1丁目信号を左に入り、2つめの路地の角(入口は路地を曲がったところにあります)。 店内はかなり狭く、L字型カウンター6席、I字型カウンター8席。 スタッフは3人で、ホール担当のお嬢さんの接客が実にフレンドリーかつ温かかみのあるもので、佳。 |
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ラーメン @600 麺は、白色の丸直麺で、一見そうめん風だが加水率が高いうえに硬めの仕上がりでそうめんとは異なるプツプツした心地よい食感の スープは、ベージュ色のとんこつ白湯ややしょうゆ味で、かなり濃厚な味わい 上記のとおり魚介の香りがふっと漂うが、奥ゆかしいレベルにとどまっており、かなり気をつけないとわからないかもしれない 表面に泡が残るのは、とんこつスープが濃い場合の宿命だが、できればない方がよいかな トッピングは、薄い肩ロースチャーシュー1枚、キクラゲ |
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ということで、博多ラーメンの世界も、スープについてはとんこつ白湯をベースとしつつも近年味の守備範囲を広げているのではないか、また、麺も昔の低加水オンリーから多加水もありという風に変わりつつあると感じました。 なお、新旧ともトッピングにキクラゲが入っているのですが、いつからそういう風潮になったのかわかりません。キクラゲといえば、昔は熊本ラーメンの専売特許(←古っ)だったと思うのですが。 まあ、料理というものは、時代とともにどんどん進化していくものですからおいしくなれば何でもイイんですけどね。 |
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