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熊 本 の 世 界 | |||||
智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みづらい。 うむむ、実に言い得て妙な文章ですねえ。 人生もはかば、じゃなかった、なかばを過ぎる(^^)と、こんな文章もズシッとくるものです。 で、この文章を書いた人は誰あろう、アノ夏目漱石であります。 そして、書いた場所は熊本であったというわけです。 つまり熊本も、意外に文化あふれた街だった、と申し上げておきたい。あ、意外に、と書いてはいけなかったでしょうかね。 それはともかく、熊本ラーメンの話です。 その昔、筆者が御幼少のみぎりに住んでおりました頃は、東京のご当地ラーメンの走りともされる「桂花」の本店が下通り側に、上通り側に「こむらさき」があり、地元メジャーの双璧をなしておりましたね。 さて、今時の熊本ラーメン文化はいかがなものでしょうか・・・ |
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黒 亭 (こくてい) | |||||
熊本の観光情報誌にも必ず載るというメジャー。 実際、るるぶ抱えた観光客が絶えません。時には行列もできるとか。 その昔は知る人ぞ知るというお店でしたが、そういうわけでいまや立派になって、店内もきれいに改装されています。 また女性だけで切り盛りしているということでも著名でしたが、今回の取材時には8名中1名が男性スタッフ。 その他のスタッフが改装されたかどうかは不明です(^^ゞ 熊本市二本木1−2−19 1030〜2230 第1・第3木休 九州新幹線全線開通に向けた再開発で忙しい熊本駅前から、市電の通りを南の田崎方面に向かい、二本木口停留所のすぐ先の信号を左折。坪井川(船場川ともいう。「あんたがたどこさ」の童歌で「えびさ」がいる川として有名)を渡って、まっすぐ行くと正面にあります。 店内は、L字型9席、2席テーブル6卓、4席テーブル2卓。 スタッフは8人。 |
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チャーシューメン @820 麺は、細めの冷や麦風の白い中細直麺で、熊本にしては細めの部類か 柔らかいという情報も多いが、今回はプッツリとした歯ごたえがあり佳 量は100g強という感じの少なめだが、トッピングに歯ごたえも加わり、それなりの食べ応えはある スープは、薄茶色強濁のとんこつ白湯塩味という分類ではあるが、しょうゆダレもかなり加わり、塩味が強く感じられる その昔は、もっと白いスープでもっと優しげな味わいであったように思う 熊本風マー油がかなり多い トッピングは、柔らかい口当たりでなかなかではあるが薄めの肩ロースチャーシュー5枚、ゆでモヤシ多め、キクラゲ少々、のり1枚 全体として、イメージが一般向けになったと感じられるが、それでもレベルは高い 値段は、観光地価格かな |
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天外天 (てんがいてん) | |||||
熊本のラーメン店では、ラーメンはあくまで「ラーメン」で、「らーめん」とか「らあめん」などと軟弱な表現はしとらんばい。 これは、「肥後もっこす」だけん、ということではなか。 ラーメンは、名前じゃなか、味で勝負ばい、ということたい。 熊本マダム御用達の鶴屋デパートの裏に、熊本に在住していたもう一人の文豪、ラフカディオ・ハーン(帰化名小泉八雲)の旧居が保存されています。 我々の(^^)世代だと、「耳なし芳一」をすぐに思い出しますねえ。 ま、それはともかくその旧居から安政町公園を挟んだ反対側に、このお店があります。 熊本市安政町2−15 1900〜2800(金、土は〜2900) 日休 市電水道町駅から、鶴屋本館と鶴屋東館の間の道を南に進むと、右側に安政町公園が見えますが、更に進んだ右側。 2方引きの入り口から店内に入ると、けっこう狭苦しい感じ。 L型カウンター18席ほど。スタッフは2人。 |
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ラーメン @650 麺は、薄い黄白色の細めの冷や麦風直麺で、ポクポクプツプツした食感だが、全体的には滑らかな仕上がり スープは、薄茶色濁のとんこつ白湯塩味で、薄くしょうゆも効いているが、全体にさっぱりとした味なのでスープを飲み干せる ただし、軽さはあるが、ダシはしっかりでており、表面にかけられたニンニクパウダーも強く主張 トッピングは、大きめのバラチャーシュー3枚、キクラゲ 味の組み立てや営業時間から想像するに、たぶん飲みの仕上げの一杯を意図しているのであろう |
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ラーメン呑龍(どんりゅう) | |||||
日本中にある産業道路。熊本にもあります。 日本中にある銀座。熊本にもあります。白川にかかる銀座橋まであります。 その銀座橋を境に、西側は人通りの多い繁華街、東側は熊大附属病院と住宅地が広がる静かなまちなみです。 そして、銀座橋通りと産業道路が交差するあたりに、このお店があります。 筆者の高校時代、後輩が住んでいた家の近くでして、ハイ。 よくこの店に行っていたのでした。なつかしいなあ。 熊本市九品寺4−11−2 1115-2000 水・日・祝休 市電九品寺交差点駅から、産業道路を南東へ向かって左側歩道を歩いていきます。7〜8分ほど歩いて行くと、気づきにくいのですが小さな橋となっているところがあります(橋の下は「二の井手」という加藤清正が造った用水路が流れています。しかし気がつきにくい物を目印にしてどうすんじゃい(^^ゞ)。 ともあれ、その橋の手前の細い道に入るとすぐ右にあります。 店内は、L字型カウンター11席。 スタッフは店主筆頭に家族3人。店主は、もちろん筆者の高校時代の方から代替わりしてますし、建物もビルに建て替わってます。 |
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ワンタンメン @900 麺は、白色の中太丸直麺で、ポクポクプツプツしたもので、堅い仕上がり 量は150g位ありそう スープは、茶濁のとんこつ白湯ややしょうゆ味で、しょうゆ味強めでダシが薄めという点は高校時代と異なる マー油やニンニクチップは無し ワンタンはきちんとてるてる坊主の形になっているもの7個、歯ごたえも残るモモチャーシュー4枚、ゆで卵薄切り2枚 |
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熊本ラーメンと言えば、東京ではなんといっても「桂花」(今となっては、「味千ラーメン」支援の下にありますが)です(と断言)。 そもそも桂花新宿店が全国ご当地ラーメン東京出店の先駆けでした。 ところで東京にある熊本ラーメン店のラーメンは地域性に対応した結果、しょうゆ味が強くなったりしていますね。 しかし、熊本では、上記の店など昔ながらの味わいを残しているお店が多いようでした。 この点、とかく味の変化というか進化が激しい博多ラーメンとは違っています。 やはり、肥後もっこすの意地っ張りということでしょうかねえ。 |
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